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トラリピ訴訟の争点、iサイクル注文やリピートトレール注文、ループイフダン、トライオートFXの類似性

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リピート系自動発注機能は類似したものが多過ぎる!

FX業界初の「リピート系自動発注機能」がマネースクウェア・ジャパンの「トラリピ」。
トラリピの強みは、何といっても24時間相場に張り付く必要がないこと。トラリピで「○○円で買って、○○円で売る」といった設定をしておけば、日中トレードをする時間がない人や寝ている間でも、自動的に注文が繰り返されます。
こうした手法は資金を効率よく運用し、FX初心者でも取引が簡単で利益を出しやすいのが魅力です。そのためトラリピの誕生から間もなく、似たような自動発注機能が他のFX業者からも登場するようになりました。
サイバーエージェントFXの「リピートトレール注文(リピトレ)」やアイネット証券の「ルーフイフダン」などもトラリピ同様、リピート系自動発注システムの商品ですが、最たるものが外為オンラインの「サイクル注文」「iサイクル注文」ではないでしょうか。
マネースクウェア・ジャパンはトラリピの特許を取得しているため、2015年2月に外為オンラインの「サイクル注文」「iサイクル注文」を特許権侵害を理由に提訴したのです。

なぜ「サイクル注文」「iサイクル注文」がトラリピの特許権侵害にあたるのか?

そもそもトラリピとは、どんなものか? もう少し詳しく説明しましょう。
トラリピは「トラップ=わな」「リピート=繰り返す」「イフダン(IFD)=為替レートが○円になったら取引を行う自動売買」といった意味の合成語。1回の注文で複数のIFDを仕掛けておき、トラップにかかり取引が完結すると、また同じ注文を自動的に繰り返す性質があります。
要は新規注文と決済注文がセットになったイフダン注文です。
トラリピってどんな注文? マネースクウェア・ジャパン
提訴された「サイクル注文」「iサイクル注文」も、基本的な注文方法はトラリピと一緒。微妙に違う点が「iサイクル注文」は利益確定注文が設定されると、損切り決定も設定される点です。
トラリピを超えるか。比較検証【iサイクル注文・サイクル注文】外為オンラインの新投資法 為替見習いのFXブログ

外為オンラインのトラリピ模倣問題の経緯

マネースクウエア・ジャパンが外為オンラインの「サイクル注文」「iサイクル注文」がトラリピの特許権侵害にあたるとし、、2015年2月に訴訟を起こした後、2017年2月10日判決が出ました。
2年にわたる年月をかけて出された結果が「マネースクエア・ジャパンの敗訴」。判決が下るまで、この訴訟がどのような経緯をたどってきたのか簡単に振り返ります。

2015年2月9日 外為オンラインの「サイクル注文」「iサイクル注文」の差止を求める訴えを東京地方裁判所に提起

2016年4月15日 外為オンラインの「iサイクル注文」が特許を取得(2014年5月28日に特許出願)

2016年6月29日 外為オンラインに対し別の特許権も侵害しているとして東京地方裁判所に訴訟提起(現在係争中)

2016年12月12日 外為オンラインが特許庁に対し無効審判を請求していた「トラリピの特許」の有効性が認められる

2017年2月10日 東京地方裁判所でマネースクウエア・ジャパンの提訴内容を却下する判決が下る

2017年2月24日 マネースクウエア・ジャパンが判決内容を不服とし控訴を表明

情報参照元:訴訟の判決及び控訴の提起に関するお知らせトラリピってどんな注文? マネースクウェア・ジャパン

ここで気になる問題が外為オンラインの「iサイクル注文」の特許取得です。マネースクウエア・ジャパンが提訴する前に、外為オンラインが特許出願をしていたとはいえ、係争中に外為オンラインの特許が認められたこと。これに関して次の項目で考えていきます。

「iサイクル注文」の特許がなぜ認められたのか?

マネースクウエア・ジャパンが外為オンラインを提訴中に、ターゲットの商品である「iサイクル注文の特許が認められる」とは、一体、どういうことなのでしょう。
特許は知的財産権を守るうえで効力の強い権利です。ただ、「特許」と一言でいっても、その制度は非常に複雑です。商品やサービスの特許もあれば、サービスに関わるシステムやプログラムの特許もあります。商品ひとつとっても、それ自体が特許で守られている場合と、そのものの一部だけに特許が適用されている場合では、特許権が及ぶ範囲も異なります。そこがまず争点になります。

マネースクウエア・ジャパンはトラリピ関連で6つの特許を取得済みです。
・トラップトレード
・ルピートイフダン
・トラリピ(トラップリピートイフダン)
・ダブルリピートイフダン
・らくらくトラリピ
・決済トレール
 はじめての方へ 発注管理機能における特許取得状況 マネースクウェア・ジャパン

おそらく今回の特許権侵害問題は、トラリピの自動発注機能システムやプログラムの一部に関することではないか?と思われます。この件に関して、マネースクウエア・ジャパンのHPで詳細が述べられていないので、あくまでも憶測ですが…。

トラリピ模倣問題は今後どのような方向に向かうのか?

2017年2月10日の判決でマネースクウエア・ジャパンの提訴は却下されました。2年に及ぶ係争で敗訴になるという事実は、自動発注機能を開発した先駆者にとって受け入れ難い結果でしょう。現在、マネースクウエア・ジャパンは控訴に向けた準備を進めているようですが、なぜ外為オンラインは「特許権侵害」にならなかったのでしょう?
多分、注文の設定方法や取引条件で、わずかな違いが認められたということだと思われます。前の章でもふれているように、特許は出願内容によって認められる、認められないの審査基準が異なります。その基準自体が複雑で難しく、素人が容易に判別できるものではありません。
と同時に、今回の判決から浮かび上がってきたのは、「マネースクウエア・ジャパン、及びトラリピの独自性がどこまで特許権で守られているのか?」という問題です。トラリピと似た商品が他のFX会社から多く出回れば市場は淘汰され、サービスの質の低下につながる恐れも十分考えられます。
マネースクウエア・ジャパンは自分たちの知的財産を守るためにも、控訴によって、さらに審議を重ねていく姿勢を見せています。そうなれば、将来的に逆転勝訴になる可能性もあり、最悪の場合、外為オンラインの「サイクル注文」「iサイクル注文」のサービス停止が起きるかもしれません。
このように特許権の及ぶ範囲と影響を考えていくと、特許は企業、個人の知的財産を守るだけではないことに改めて気づかされます。特許によって商品やサービスの模倣を防ぐことは、その商品の価値や質を下げない、顧客との信頼関係を築くうえでも、重要な役割を担っているのです。
当然、トラリピの特許と模倣問題でも同じことがいえます。
我が国の特許の出願数は1998〜2006年にかけて急増し、年間40万件以上で推移していたものの、審査基準の厳格化に伴い、2007年以降は少しずつ減少しています。特許庁の以下のデータを参考までにご覧ください。
知的財産活動の動向 特許出願件数の推移

時代とともにIT化が進み、商品やサービスも利便性の高いものが量産されるようになりました。
トラリピの問題はまだ氷山の一角かもしれません。市場や消費者への影響を考えると、上質なサービスを維持するために、特許の取得基準や審査内容は今後さらに厳格で公正な判断が求められる時代に入っていくのではないでしょうか。

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